GoPro Heroのヒミツ

7月頃、以前から欲しいな〜と思っていたGoProのHPにアクセスしてみると、随分安いモデルが発売されているのに気がついて、早速購入。子供達の夏休みを撮影するのに役立ってくれました。

購入したのはHero(2018)と呼ばれる一番安いモデルです。その一つ上のHero5とは2万円ほどの価格差があります。 (なお、2018年9月、GoProの製品ラインナップが一新されて、Hero(2018)もHero5も在庫分のみとなっています。)

さてこのHero(2018)、ハードウェアは上位機種のHero5と全く同じで、ファームウェアの書き換えで、Hero(2018)をHero5にできる、という情報を掴みました。(Redditの記事) Youtubeにも実際にハッキングしてHero(2018)がHero5になった動画があり、どうやら本当のようです。 Hero(2018)は、Hero5の一部機能を、ソフトウェアで制限した製品だった、という訳です。

これは、おそらく、こういうことだと思います。

GoPro社は、以前からあるHero5の下位モデルを追加して、アクションカメラの新規ユーザ(僕のような)を取り込みたいという意向があった。 しかし、新モデルの開発や、それ専用の製造ラインにはお金がかかる。それに比べ、ソフトウェアで一部機能を制限することなら、ごく安価で実現できる。 そこでHero5の機能制限版をHero(2018)として売り出した。

もちろん、Hero5の原価は、Hero(2018)の売価よりも安いものの筈です。 じゃあ、あっさりHero5を値下げすれば、新規ユーザーを獲得できるのでは、と思われるかもしれません。

しかし、市場には、「この機能・性能の製品なら、価格はこのくらい」とう値ごろ感があります。GoPro社はアクションカメラという市場を自ら作りだした会社であり、この値ごろ感に大きな影響を与えることが出来ます。Hero5を安価で販売すれば、短期的には新規ユーザを獲得できますが、値ごろ感を引き下げてしまい、長期的な利益の喪失に繋がります。ということで、今回のような手法を採用したのでしょう。

GoPro社にとって誤算だったのは、これがあっさりと見破られてしまったことと、これまたあっさりとハッキング方法が見つかってしまったことでしょう。